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コロナ対策のボーダーパスで漏れる個人情報?!

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コロナ対策として、長いこと州境を閉め他州からの来訪者を拒んでいたクイーンズランドのボーダー(州境)が今月10日にやっとオープンし、州外からの人を受け入れ始めました。

この辺り、北部ニューサウスウェールズ州の住人にとって車で1時間ほどで行かれるゴールドコーストは “just around the corner =すぐそこ、目と鼻の先”。ちょっとオシャレなものを買いに行くときはパシフィックフェアやロビーナのショッピングセンターへ行ったりするし、仕事で行き来している人も数多くいます。でもゴールドコーストはボーダーの向こう、クイーンズランド州なのです。ボーダーのこちら側にいる私たちには待ちに待った通行の再開。ですが素通ししてもらえるわけじゃなく、ちょっと面倒臭いんです。

ボーダーパス

ニューサウスウェールズ ナンバーの車がボーダーを越えてクイーンズランド州に入るには、予めオンラインで申請したパス(許可証)をプリントして車のフロントに提示する必要があります。ボーダーのチェックポイントでは全通行車を一車線で徐行させ、それを複数の警官が見張る厳重さ。パスを提示していなかったり、期限切れのものを掲げていると止められて新たに申請するまで通してはもらえません。

このパス、過去14日間にコロナ頻発地域に行っていない、感染者と接触していないなどの申告をする仕様になっているゆえ申告書と呼ばれ、A4版のパスの上にははっきりと住所、氏名、生年月日が記されています。

ボーダーを通るときには手近にこれを用意しておき、チェックポイントの手前でフロントガラスに貼りつけ、チェックポイントを通過したら外す、というのが一般のセオリー。でも大半のオージーたちは違います。とくに仕事で行き来の多い人などはもう初めから貼りっぱなしです。

地元のショッピングモールに駐車した車にも貼ったままなら、ビーチの駐車場や路駐した車にも貼ったまま。自分の個人情報を堂々と貼りつけたまま車を放置できるのは私から見ればあっぱれ。俺は逃げも隠れもせんぞ!という

オージーの心意気?!

なのでしょうか…。胸に身分証明書を貼って歩いているのとほとんど同じに思えますが、全然気にしません。

そういえば以前、道路沿いに停め”For Sale”の貼り紙をして売りに出していた車のダッシュボードに車検証を広げてあるのを見たこともありました。この車は次の車検までこれだけの期間が残ってますよ、それまで車検代がかかりませんよ、というのを見せるために置いたのでしょうが、車検証には住所、氏名はもちろん運転免許の番号まで書いてあるんです。

なんて大らかな…!

そんな風に個人情報の公開に無頓着な大半のオージー。今日もパスを貼ったまま走り回ります。ボーダーパスは大人も子供もひとり一通ずつ申請することになっているので2人で通過するなら2枚、家族4人で通過するなら4枚、重ねず全部が見えるように提示しなければなりません。この4枚をフロントガラスに並べて貼ったまま走り回るツワモノもいるのです。それも1度や2度でなくかなりの頻度で見かけたるのだから驚きです。

A4版1枚貼っただけでも結構視界を遮られるのに、4枚貼ったらほとんどフロントガラスの半分近くが隠れます。死角ができるのは当然で、そのせいで事故も起きているとか。

いや、事故起きない方が不思議だわ。。。

さらにそうやって起こした事故は保険の適用範囲なのか否かでモメるとラジオで聞きました。

ごねられるその神経にまた脱帽。

本人確認

電話による詐欺事件や電話を使った犯罪は近頃増える一方ですが、その第一歩はかかってきた電話の相手を信用して自身の個人情報を与えてしまうことから始まります。日本では様々な事例が取り沙汰され、今では誰もが個人情報の管理により気を配っていますね。

でもここオーストラリアでは個人情報を守る大切さがそれほど認識されているとは思えません。ボーダーパスを貼った車を公共の駐車場に平気で停めておくことからも明らかです。

少し前に多かった詐欺電話のひとつに政府の社会福祉機関を装って電話をかけてくるというのがありました。それも本物がやるように、まず携帯に近いうちに電話を入れますよというテキストメッセージを送ってきてから電話をよこすのです。

そういう電話を受ける心当たりはなかったので、私は知らない番号からの電話は取らないようにしてやり過ごしましたが、友人は慎重になるあまり逆に本物に疑いをかけてしまったと言っていました。

彼女は現在補助を受けている国の福祉機関センターリンクから、番号非通知のプライベートナンバーから電話をかけるからというテキストメッセージを受け取り、かかってきた電話に出ました。詳細を話し合う前に本人確認をするからと、住所と生年月日を訊かれたんだそうです。

えっ? ちょっと待って。かけてきたのはそちらでしょう? 全部知ってるはずなのに…。

本人確認のためですよ、と相手は何がいけないのかまるで分らない様子。思わず彼女は、大変失礼だけど詐欺電話が横行する中、あなたが本当にセンターリンクの人か確かめる術がないまま自身の個人情報を与えるのはちょっと…と言ってしまったそうです。

すると相手は悪びれず、それならセンターリンク専用のID番号でもいいと言ったそうです。ID番号だって大事な個人情報じゃない! そう思ったものの、他に何を伝えれば証明できるのかも思いつかず、補助を受けている立場であまり心象を悪くするのもイヤだったので、しぶしぶID番号を渡したそうです。相手は渡したID番号を入力して、センターリンクしかわからない詳細情報を引き出し彼女に言ってみせたそうで、そこでようやく本物だとわかってホッとしたそうですが。

国の福祉機関からの電話ですらこんなものです。向こうは彼女の個人情報を他人に明かすことなどないよう、電話に出ているのが間違いなく本人である確認をするのでしょうが、もう少しうまい確認方法を考えてくれないと詐欺電話にひっかかる人は減らないぞと思ってしまうのですが…。

暗証番号って…

大手の銀行や保険会社などに電話をかけるとよくある自動音声による応答。普通預金に関するお問い合わせは1を、貯蓄預金は2を、クレジットカードは3を押してください、というように、大抵はいくつかの選択をして担当部署に行きつくようになっていますね。

最近では音声を読み取るシステムで用件をひと言で言うように指示されるところもあって、発音が悪いと何度も言い直させられて血圧上がりまくった挙句、間違った部署につながれたり切られたりしてどっぷり消耗したりしますが。

口座番号を入れるよう指示され、待ち時間が伝えられ、長い待ち時間の後やっとつながると「ハ~イ、ほのか。まずはテレフォンバンキングのパスワードを言って」とのリクエスト。

は? あなたに?

パスワードは誰にも言わないようにって銀行はことあるごとに言ってるくせに。

これはひっかけなんだろうか。答えていいのか、ダメなのか。良くても言いたくないので

「最近使ってないので忘れちゃった」と言うと

「That’s OK. じゃほかの質問をするから答えてね」と予め自分で選んでおいた一問一答に変更になりました。通った小学校の名前は? とか、最初に住んだストリートの名前は?っていうような。要するに本人しかわからないようなことを訊いて本人確認をするわけです。だったらパスワードを尋ねるのはやめて欲しい。コールセンターのバイトのお兄ちゃんにはやっぱり渡したくないもの…。

まあでも普通のオージーたちは何の抵抗もなく言うんでしょうね、パスワード。

オーストラリアで個人情報がもう少し守られるようになるにはまだしばらく時間がかかりそうです。私が正しくオージー化されて気にしなくなるのとどっちが先かしら…?

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