海外セレブたちが愛飲したことから数年前にあっという間に広まりましたね、コンブチャ。
何でもゆるめに浸透するオーストラリアに入って来たのはしばらくしてからのことで、それから徐々に広まってきました。
オーストラリアのコンブチャ(kombucha)事情
オーストラリアでちらほらと見かけるようになったのが1~2年前。しかしソフトドリンクにあまり興味のない私は昆布茶に似たふしぎな名を冠する茶色のビンを何となく避けて素通りしていました。
君子あやしき(危うき!)に近寄らず…。
が、市場はさらに拡大。だんだんと一般の店にも置かれるようになり、最近ではスーパーにもコンブチャ売り場がどーんと常設され、さまざまなフレーバーのものが売られるようになりました。
こうなると手に取ってみないわけにいきません。かくしてkombuchaがかつて紅茶キノコと呼ばれたあの発酵食品であることを遅ればせながら知るに至ったのです。
そもそもオージーたちはソフトドリンク好き。コーラや炭酸飲料、エナジードリンクなどをそれはそれはよく飲みます。
食事の時にもこういう飲み物を飲まずにはいられないよう。
ビールやワインでなければソフトドリンク。水とかお茶という選択肢はまずありません。
こういう人たちが少し健康を気にし始めた近頃、ソフトドリンクのヘルシーな代替品としてコンブチャが売れてきているようです。
売り場を見ると、コーラ味のコンブチャも売られてたりします。意味があるんだか…。そのままコーラを飲むよりはヘルシーなんでしょうね。
ついでに言えば、お酒もコーラで割ったものが一番人気。
女性にはラズベリーなどの甘~いフレイバー入りソーダで割ったウォッカ。リカーストアに行くとこうしたプレミクス(premix)ドリンクがどーっと並んでいます。
コンブチャをアペリティフに
私がコンブチャを飲み始めたのはアルコール抜きのアペリティフとして。夕食前にホッとひと息何かを飲みたいけれどお酒じゃない、という日に。
日本にはおいしいノンアルコールビールがたくさんありますね。
日本で「へえ~っ、ノンアルビールってこんなにおいしいんだ」と知ってこちらでも買ってみたのですが、大失敗! 全然おいしくない。。。お値段だけは一人前のビール並みなんですけどね。
違うブランドならおいしいのがあるかもしれないと片っ端から試してみましたが、どれも似たり寄ったり。おまけに飲んだ後でお腹がゴロゴロとあまり調子よくないのです。
そんなときにたまたまコンブチャを飲んで、その味がぴったりと気分にハマりました。コンブチャは甘みがかなり抑え目で酸味もあり、シュワっと微発砲なのも爽やか。
発酵食品なので厳密に言えば微量のアルコールが含まれていて、厳密に言えば完全なアルコール・フリーにはなりませんが、健康にいいとされる有機酸やビタミン、ミネラルがたくさん入っているのだから体にはプラスになることの方が多いはず。
ただ市販のものは薄めて甘味を加えたり保存料などの入ったものも多く、コストも割高。また大半がフレーバー付きなのですが、好みのフレーバーもあまり見つからないので、それなら自分で作ってみようかと始めてみたわけです。
コンブチャを作る
コンブチャのスターターキットをゲットする
まずはコンブチャのスターターキットを手に入れます。
通常、酵母由来の菌体とスターターティー=すでに作られたコンブチャがセットになって売られています。
菌体はスコビーと呼ばれる円盤型の、いわゆる紅茶キノコのこともあれば、もう少しモヤモヤとファジーなものもあります。
スターターキットはファーマーズマーケットや健康食品店などで手に入ることもあれば、お知り合いが作っていて株分けしてもらえるというラッキーなケースもあります。
手近で見つからないときは、時間はかかるけど市販のオーガニックのコンブチャドリンクからでも作れるそうです。
でもこのご時世、ネット通販で買うのが一番早くて安心な方法でしょう。
私もぽちっとネットで買いました。5日ほどで10センチほどの円形のスコビーがスターターティー=すでに作られたコンブチャに入ってインストラクションの書かれた紙とともに届きました。
こんな感じのです。
私が購入したのはスコビー+スターターティーのみでしたが、スコビーは右側のセットのもののようにディスク型をしていました。
左はもやもや(?)タイプ。どちらでもちゃんとコンブチャつくれます。
いずれにしても、1回つくるごとに1枚ずつディスク型のスコビーが増えていきますから^^;
ここではこのスコビーを使ったコンブチャの作り方と失敗しないための要点を順にとご紹介します。
用意するもの
- コンブチャ スターターキット (スコビー + スターターティー)
- 広口のガラスビン
- 紅茶、日本茶などの茶葉、またはティーバッグ
- 砂糖
分量
全体の10%のスターターティーと90%の紅茶(または日本茶、以後いずれもお茶と呼びます)。1リットルのコンブチャを作るには、お茶900cc、スターターティー100ccの割合
砂糖は上記の量に対して50グラムが目安。
お茶はお好みの濃さで。スコビーの生育にはカフェインも必要なのである程度の濃さは必要です。私は2.5リットルのコンブチャを作るのにティーバッグの紅茶4つを使っています。
スコビーとともに受け取ったインストラクションには1リットルに対し紅茶のティーバッグ2つ+緑茶のティーバッグ2つ、計4つ(!)となっていました。
[jin_icon_check color=”#8eaced” size=”18px”] ビンはガラスのものを。コンブチャの酸によって溶け出す可能性のある素材の容器は避けてください。
[jin_icon_check color=”#8eaced” size=”18px”] スコビーが呼吸しやすいよう、またこぼれたりすることのないよう液がビンの8分目以下になるような大きさのビンを選びましょう。
つくり方
1)お茶を入れ、砂糖を溶かします。そのまま室温まで冷まします。
浄水を沸かし、沸騰したら火を止めてティーバッグ、または茶葉を入れます。お茶袋に入れておくと取り出しやすいです。
お好みの濃さに抽出したらお茶のバッグを取り出し砂糖を入れ、よく掻き混ぜて溶かします。そのまま室温になるまで冷まします。
[jin_icon_check color=”#f7cc60″ size=”18px”] お茶はティーバッグでOKです。砂糖とともにできればオーガニックのものを用意。
[jin_icon_check color=”#f7cc60″ size=”18px”] お茶を入れるための水はできれば浄水を使いましょう。
[jin_icon_check color=”#f7cc60″ size=”18px”] 気温や量によりますが、お茶が完全に冷めるにはそれなりの時間(数時間から半日程度)がかかります。早めにお茶だけ用意して冷ましておきましょう。
2)ビンを消毒します。
煮沸する、レンジでチンする、アルコールで拭くなどいろいろな方法がありますが、私はざっと熱湯をかけてます。
ただし、そのままかけるとガラスが割れる可能性大なので、ビンの中に柄が長めの金属製のスプーン、マドラー、またはお玉などを立てかけてお湯をかけるようにしています。
こうすると熱が金属を伝って少し逃げてくれるようです。
柄が短いと熱いお湯から取り出すのに苦労するので長いものを入れています。
茶こしなど他に使うものにも一緒にざっと熱湯をかけておきましょう。
お湯をきって乾かしておきます。
3)お茶が完全に冷めたらビンに注ぎます。お茶の葉をそのまま入れてある場合は茶こしでこしながら注ぎ、スターターティーとスコビーをそっと入れます。
4)ゴミやホコリが入ったりしないようキッチンペーパーまたは布でふたをし、リボンや輪ゴムなどでとめておきます。直射日光の当たらない、明るい場所に置きます。
[jin_icon_check color=”#f7cc60″ size=”18px”] ビンや茶こし、じょうごなど使う器具は熱湯をかけるなどして必ず消毒を。
[jin_icon_check color=”#f7cc60″ size=”18px”] 20~30℃という発酵の適温が得られそうな場所に置きましょう。
[jin_icon_check color=”#f7cc60″ size=”18px”] 発酵中はあまり動かさないようにしましょう。
スコビーは浮いていたり、沈んだり、斜めになったりとさまざまです。浮いていたものが沈んで、また浮いてきたりします。どこにいても大丈夫です。
写真は活発なときのスコビー。2日目に下へ下がり始めて底に到達。6日目にまた上がってきました。逆にほとんど動かないときもあります。
この状態で夏なら5~7日、冬だと1~2週間ほどで完成します。表面に新しい膜(スコビー)ができ、甘みが薄くなり適度な酸味が出てきたら出来上がりです。
熱湯をかけてさますなどした清潔なスプーンやスポイトで味見をして発酵の具合をチェック。好みの加減になったところで完成です。
5)スコビーをそっと取り出し、出来上がったコンブチャは茶こしを通して別のボトルに移します。冷蔵庫で冷やすとおいしくいただけます。
コンブチャは発酵食品であり、生きた微生物が中で常に変化し続けています。
使用するビンや茶こし、スプーンなどの器具はすべて消毒し、他の菌が入ったりすることのないよう常に清潔な管理を心がけてください。
管理を怠ると人体に有害な菌を繁殖させてしまう可能性があります。
カビなどが生じた場合は全て破棄し、新しいスコビーから作り直してください。
まとめ ~ コンブチャあれこれ
こうしてできたコンブチャを発泡性のミネラルウォーターで割って、食前のアペリティフ代わりに飲んでいます。食前に飲むと消化を助ける効果があるそうです。
この他朝食のミューズリーの中にも少しだけ入れてます。ヨーグルト、フルーツ、ナッツとともに。ドレッシングに入れることもあります。
いつ、どんな飲み方をするかはお好み次第です。
ただし、酢酸が含まれていることを忘れずに。コンブチャだけを飲んだ後は、歯を守るため水で口をゆすぐなどした方が良さそうです。
またお茶ですからカフェインを含んでいます。就寝前には向かないかもしれませんね。
コレステロール値の低下、血糖値の抑制、抗菌、抗酸化効果などコンブチャにはさまざまな効果が期待できると言われていますが、私がただひとつ、だけど大きく実感している効果は整腸です。お通じがとてもスムーズになりました。これだけでもうれしい効果です。
お茶と砂糖、スコビーとスターター液を一度セットしてしまえばあとは室温で放っておくだけのカンタンさ。ズボラな私でもマイテンポで続けられる発酵食品です。ぜひ作ってみてください。
2回目以降の作り方、増えていくスコビーの株分け、管理の仕方についてはこちらを参考にしてくださいね。
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