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保険を見直したら、節約できる?

傘

オーストラリアの保険はすべて掛け捨てです。
何も起こらなければ、お金を捨てていくことになってしまいます。

が、万が一に備えるのが保険。
保険なしでいけるほどの強運も度胸も持ち合わせていません。

なので最低限、自分たちにとってどうしても必要だと思う保険しかかけていませんが
一度加入してしまうとあまり見直すことなく更新しがちです。

コロナ渦のロックダウンで仕事に制限が生じ、収入が減ったことから出費を見直し始めて
目についたのがいくつもの保険契約でした。

複数のの保険をかけているので、それぞれがゆるくかかっていると合計が多額になります。

ここはひとつずつじっくり見直す必要がありそうです。

オーストラリアで一般的な保険各種

自動車保険

車社会のオーストラリアでは、自動車保険は欠かせない出費です。

日本の自賠責保険にあたるCTP(Compulsory Third Party) Insuranceはもちろんのこと
対物賠償や自損事故等もカバーする任意の自動車総合保険にもほとんどの人が加入しています。

健康保険

日本の健康保険に当たるメディケア(Medicare)は市民権、または永住権を持つ人全員に付与されます。
でもメディケアの負担率とカバー範囲は日本の健康保険ほど良くありません。

ゆえに数多くの人が任意の民間健康保険(Private Health Fund)に加入しています。

住宅(火災)保険/家財保険

持ち家に住む人、または投資物件を持つ人の多くが加入しています。

災害で建物が倒壊、損傷した場合に貯金で建て直せる人は問題ありませんが、
修復できず住宅ローンだけが残るということだけは避けたいもの。

多くの人が家財保険と併せて購入しています。

生命保険/収入保障保険

万が一の病気やケガ、死亡の際に家族が困らないために入る保険です。
これも多くの家庭で加入しています。

では実際にひとつずつ細かく見ていってみましょう。

自動車保険

自動車事故

自動車保険の必要性

オーストラリアでは車は必需品。

とくに公共交通機関の発達していない田舎では
大半の家庭では仕事をに出ている成人ひとりにつき一台ずつ持っていたりします。

ちょっとそこまで買い物に行くにも必要だから毎日乗るし、
広いオーストラリア、乗る距離も日本の比ではありません。

当然、事故に遭う確率も高くなります。

そして事故に遭っても、車同士がちょっと当たったぐらいでは
警察は呼ばないし、必要もありません。

代わりに、真っ先に保険会社に通報します。

なので事故に遭うと相手方と連絡先を交換する際に保険会社名も訊き
直ちに自身の保険会社にそれを伝えます。

保険会社は当座必要な処置を指示してくれるのでそれに従い、あとは任せます。

これがお粗末な保険会社だと、ちゃんと働いてくれなかったりします。
現に私も一度、自分でやれと言われて困った経験がありました。

だからこの国では車の保険だけは選ぶという人が多い。
上記の経験から私も、車の保険だけは信頼できるところを選ぶようになりました。

今契約している保険会社はそれなりの信頼をおけるので変えるつもりはありません。

変えられるのは何か

見直せるのは「かけ方」です。

オーストラリアの自動車の任意保険はほとんどが対人、対物、自損、
同乗者と車両保険が組み合わさった総合保険になります。

車両保険以外のそれぞれの保証額は保険会社やパッケージによって予め決められています。

が、全損のときや多額の修理費がかかる場合に補償される額は
市場価格(market value)と協定評価額(agreed value)から選べるようになっています。

市場価格は契約を結ぶ時点ではなく、実際に保険が請求された時点で価格が決まります。

車の価格は通常古くなれば下がっていくので
市場価格の掛け金はそれを見越して設定されています。

それに対して協定評価額は補償額を固定するので
時間が経っても補償額は変わりません。

市場価格より高い協定評価額にすれば掛け金は高くなり、
逆に市場価格より低く見積もればより安い掛け金の設定も可能です。

具体例で言えば、市場価格が15,000ドルの車を
17,000ドルの評価額に設定すれば掛け金はその分高くなります。

逆に何かあっても最大13,000ドルもらえればいいや、と設定すれば
市場価格の掛け金よりも安くなります。

私の車は数年前に高めに設定した評価額とさして変わらない協定評価額になっていたのを
今回ぐっと下げたら年間百ドル近く下がりました。

健康保険

もしものとき?

メディケアと民間健康保険(プライベート・ヘルス・ファンド)

オーストラリアで日本の国民健康保険に当たるのはメディケア。
オーストラリア国籍及び永住権を持つ人はみなメディケアに加入しています。

でもこのメディケア、日本の健康保険に比べて負担される額が低く、カバー範囲も狭いのです。

そのため多くの人がその分をカバーする任意の健康保険
プライベート・ヘルス・ファンド(以下、民間健康保険と呼びます)を利用しています。

民間健康保険は一部の病院(とくに民間病院)での治療費のほか、
メディケアではカバーされない歯科治療、眼鏡、カイロプラクティックなどもカバーします。

また救急車を利用した際の費用も含まれます。

私の住むニューサウスウェールズ州では、基本の料金に加え走ったキロ数ごとに料金が
加算がされるので、救急車の駐留所や病院までが遠い田舎では結構な金額になります。

ビクトリア州のように固定料金のところもあります。
ただし都市圏と田舎の料金は違う設定で、田舎は都市圏の1.5倍ほどになります。

クイーンズランド州とタスマニア州では救急車は無料です。

入らなくても損する?健康保険のトリック

ヘルシーハート

民間健康保険は強制ではなく任意なのですが、
入らないことで余計な支出が生じる場合も出てくるので少々厄介です。

ひとつは収入が多い人の場合。

個人で9万ドル、カップルまたは家族で18万ドル以上の収入があって
プライベート・ヘルス・ファンドに入っていない場合は年収の1%~1.5%の税を徴収されます。

もうひとつはライフタイム・ヘルスカバー・ローディング(Lifetime Health Cover <LHC> Loading)です。

これは30歳以降プライベート・ヘルス・ファンドに入っていないと、
加入するまで毎年2%が加算されるしくみです。

何に加算されるかというと、将来入る民間健康保険料に、です。

この付加料金の加算は最大70%まで。
その後加入し、10年払い続けた時点でこの付加料金は免除されます。

たとえば35歳で初めて加入した場合、通常の料金の10%(= 5年 x 2%)増しになります。

あるいは40歳で払うのを止めて、43歳でまた加入した場合は
6%(=3年 x 2%)増しになるということです。

しかしこのように今まで払っていたのを止める場合、
実際にはもう少し換算が複雑になるようです。

というのも、止めるまでに払い続けた年数や年齢が加味されるらしいのです。
ゆえに実際は多少違う付加料金になりますが、概ね上のように理解しておけば大丈夫でしょう。

私たちは年間4千ドル以上のパッケージ料金を払っていましたが、
私が歯医者さんににかかる以外はほとんど使っていませんでした。

ヘルスカバーが使えなくなれば歯の治療費はフルで払わなくてはなりませんが
それでも今行っているような予防と治療なら年間千ドルもかからないでしょう。

一方、将来新たに加入し直す際の付加料金は3年後なら6%、5年後なら10%になります。

同じパッケージで年間+400ドル。それなりに痛い出費かもしれませんが、
年に4千ドルを節約できるのは大きい。5年で2万ドルの節約です。

もちろん、大きな歯科治療などが必要にならないよう健康でいたら、の話ですが。

保険をかける、かけないはある意味「賭け」です。

救急の場合はメディケアでカバーされるのでいざというときは救急にかけ込ませてもらいます。

よし、健康に気をつけて元気でいよう、ということで
一時的にヘルスカバーを止めることにしました。

住宅(火災)保険

暮らしの窓

天災や火災などで家屋に被害が生じたときにカバーしてくれる住宅保険。

大型の台風や局地的な大雨による洪水 ー 近年の極端な気象変化による災害を見ていると、家を持っている人なら入ってくべきと思わされる保険ですね。

賃貸住宅に住む人は建物の心配は大家さんにしてもらうとして
もしものときのため家具や家電品などの家財保険への加入は必要かもしれません。

洪水で家が水に浸って使えなくなった、地震で倒壊したなどというとき
保険に入っていなければ家を建て直す費用を捻出するのは大変なことです。

住宅ローンを返し終えていない家庭ならなおさらのこと。
担保である家の価値が無くなってしまえば土地ごと銀行のものになりかねません。

住宅保険のカバー範囲は各商品によって異なります。

日本では通常住宅保険は火災保険を意味することが多く、火災のほか洪水などの水害や
竜巻などの風害による被害も補償の対象に含まれていることが多いようです。

しかし地震や津波による被害は含まれず、
これらをカバーするにはさらに地震保険に入っておく必要があります。

また保証は家屋だけで良いのか、家具や電化製品などの家財も
対象に含めるのかも考慮する必要があります。

そして家屋を建て直すのに、家財を買い替えるのに
いくらの保険金額が必要かという計算から掛け金が決まるわけです。

このほか災害により倒壊した家の解体や片付けにも意外な費用がかかります。
さらに家屋の再建中の仮住まいの家賃なども考慮に入れて検討する必要がありそうです。

オーストラリアの住宅保険

ビーチコテージ

オーストラリアの住宅保険も基本的な構造は日本と一緒です。

こちらの場合は地震の確率は非常に低いので、
地震も津波も含まれるのであれば住宅保険の補償範囲に含まれます。

この辺りで最も起こりそうな災害といえば、大雨と満潮時が重なることによる洪水と
山火事に端を発する火災でしょうか。

季節の変わり目にはひょう(雹)もよく降ります。
それも大きなときはゴルフボールほどの大きさのものが。

そんな大きな氷のかたまりが空から落下すれば家の屋根も車もボコボコになるし
ヘタをすればガラスが割れます。

なので雹による被害も対象に含まれていないといけません。

2011年にブリスベン川が氾濫したとき、洪水をカバーした住宅保険はほんの一部で、
多くの人が住宅保険をかけていながら補償を受けられないという事態が発生しました。

これは洪水に使われる用語の定義と解釈がまちまちであったために起こったのです。

ブリスベン川の氾濫は台風と雨が去った翌日、快晴の中で起こりました。

このため多くの保険会社が雨により急速に溜まった水が洪水であって、
嵐が去った後に川から溢れた水に浸るのは洪水ではない、といった解釈をしたのです。

この一件の後、洪水に関する用語の定義が統一され、また各保険会社が改めて
商品の見直しと値上げを行い、大概の洪水がカバーされるようになりました。

ほの家の住宅保険

浸水

我が家は海に近い平地に住んでいるので、豪雨や高潮、
川の氾濫などによる浸水の可能性があります。

またオーストラリアは自然発火の山火事が多いので
その被害を受ける可能性もあります。

そして前述のようにひょう(雹)が降ることもあります。

ほの家はまだ住宅ローンをせっせと返している最中なので
万が一家が倒壊したりしたら大変です。

保険なしで家を建て替えられるような貯金はどこにもありません。

さらにもうひとつ、オーストラリアの住宅保険には大抵Public Liability =
損害賠償責任(保険)というものが含まれています。

これは例えば自分の家の敷地内で誰かが怪我した場合、そのケガが家主の落ち度に
よるものと判断されると賠償責任が生じるので、それをカバーする保険です。

ケガをした人はパーティーに呼んだ友人かもしれないし、修理に来た業者かもしれない。
自転車でドライブウェイを横切っただけの子供かもしれない。

誰であってもこちらの責任になる可能性があり、
その賠償額は巨額になり得ます。

こちらの住宅保険には一千万ドル、二千万ドルといった額の
損害賠償責任保険が含まれています。

ゆえに住宅保険(Home Insurance)への加入は必須です。

保険金額は全壊したときに家を建てられるぐらい。

建設業者でない限り、これは難しい計算です。
家の買値や売値とは違うし、物価によっても変わるし。

専門業者に頼んで査定(Valuation)してもらうこともできます。

以前やってもらったことはありますが、1年たったら相場は変わるし、
かといって毎年数百ドルかけてやってもらうほどのものでもありません。

なので、同規模の家を建てるのに現在いくらぐらいかかるかをリサーチし
ざっとはじき出した金額を掛けています。

かける際にはいくつかの保険会社から見積もりをもらい、
一番納得のいく価格と内容の保険に決めました。

大きな変更などが無い限り、同じ会社で更新していくつもりです。

これは削りようがないので今年もそのまま更新としました。

生命保険 / 収入保障保険

リスク・コントロール

一家の大黒柱の突然の病気やケガ、あるいは最悪の事態に備える保険だから大切です。

でもいつ起こるかはわかりません。
3か月後かもしれないし、30年後かもしれない。

若ければ掛け金は低いかもしれないけれど、何十年と払うことになる可能性もあります。

起こるまで払い続けるのが保険です。

オーストラリアの生命保険には日本の満期保険金のように
生きている間に給付を受けられるようなシステムがありません。

ゆえに万が一のとき当座をしのげる額だけお互い相手のためにかけています ^^;

我が家の生命保険はこちらの年金、スーパーアニュエーション
(Superannuation)を通してかけています。

死亡(Death)保険とTPD (Total & Permanent Disability) Insurance、
日本で言う高度障害保険とに少しずつ。

最低限なので掛け金も高くはありませんが、半年、1年と
足していくとそれなりに払っているなぁと感じます。

それでも年金から引かれているので手持ちの現金には響きません。
将来もらう年金が少しずつ減っているということですが。

こちらの年金は運用され、その利益や損失はそのまま個々の年金に加算/減算されます。

うまく運用してくれれば、この程度の保険金はその中から簡単に出るし、
逆にどんなに頑張って積み立てても大きな損失を被れば数年分の積み立てが一瞬で消えます。

コロナの影響はこんなところにも出て、世界がロックダウンに入った後、
年金はびっくりするほど減りました。

運営者によれば、今はかなり戻ってきているそうですが。

これも賭けで、賭けたくなくてもなるべく低リスクと思われる
運用法を選ぶくらいしか手はないのです。

すべての金融商品がそうであるように。

とりあえず、今は年金関連はいじるのを止めておこうと思います。

そして私たちの最低限の生命保険も細々と続けておくことにします。

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