高級素材を使えばおいしい料理ができるのは当たり前。
たまのお祝いディナーならとびきりの素材で豪華ディナー、いいですよね。
でも毎日、毎週、そういう訳にはいきません。
限られた予算でも週に1~2度はおいしいお肉食べたい。
でも安いお肉は硬かったり、筋があったり、脂だらけだったり…。
大丈夫です!
安いお肉でも
- 部位を選んで
- その部位に適した料理を
- ほんのいくつかのコツを押さえて
つくれば高級なお肉に負けないくらいおいしくできるんです。
安いお肉はなぜ安い?
そもそも安いお肉はなぜ安いか。
それは手がかかるから。
捨てる部分をいっぱい含んでいるとも言えます。
骨や筋、脂を取り除き、食べやすく切って…。これだけでも手間。
高いステーキはそのまま焼くだけです。
たとえば。
わりと高価なラムラック(rack of lamb=仔羊のあばら骨の部位)などでもスーパーで見ると
ざっくり切っただけのものと、きれいに脂を取ってあるものでは全然お値段が違うのです。
要は手間賃が加算されているわけですね。
そして、骨や筋、脂を取り除くとお肉は目減りします。
それでも、4分の3ぐらいは残ります。
たとえば1キロ40ドルの高級ステーキと1キロ20ドルの安いお肉。
実質1キロ必要なら脂の分余分に1.3~1.4キロ買う必要がありますが、
それでも28ドル。全然お得です。
そうして買ったお手頃肉。お肉屋さんみたいに頑張ってきれいにするぞーっとヤル気の
出るときもまれにありますが、普段はできれば手間はかけたくない、ですよね?
私も面倒くさいのはイヤです。
だから、手間をかけない方法でいきたいと思います。
安いお肉をやわらかくする6つのマジック
1) スロークック
安いお肉にはたいていスロークック(slow cook)用と書いてあります。
確かに、弱火でゆっくり火を通せばたいていのお肉はやわらかくなるし、
筋もトロッとなってそのままおいしく食べられます。骨からはだしが出るし。
スロークックしたお肉、大好きです。
シチューのような煮込み料理からオーブンでスローローストしたお肉まで
スロークックもいろいろなバリエーションが楽しめます。
2) マリネする
お酒を振りかけておいたり、揉みこんだり。
塩麴をまぶしておいたり。
調味料で下味をつけるのも一種のマリネですね。
予めお肉をマリネしておいてから調理するのも
お肉を軟らかくおいしく食べる方法のひとつです。
3) たたく
バーベキュー大国オーストラリアでは、バーベキュー用と称して
硬い部位のお肉を肉叩きでたたいたものが売られています。
各家庭にも肉叩きがあります。
よく叩いて繊維を切っておいてから焼けば、ちゃんとやわらかくなります。
叩くので薄くのびますが。
これもお手軽で実質的な対処法だと思います。
4) 塩する
コーシャ―ソルトというユダヤ教徒の人々が使うお塩があります。
アメリカのレシピサイトを見ていると、使われている塩はもっぱらコレばかりです。
フレーク状になった添加物フリーのおいしいお塩で、これをたっぷりお肉にマッサージして
寝かせておくと硬いお肉もやわらかくなるんだとか。
フレーク状の塩が肉に食い込んで繊維を断ち切ることが柔らかさにつながるんだそう。
ただこの方法、後で余分な塩をごっそり落とさなくてはいけないのです。
コーシャーソルトはそれなりのお値段だしおいしい塩なので、捨てるには忍びなくて…。
それにお肉が塩漬けみたいにしょっぱくなるのはイヤだし。
だからわが家では捨てなくていいくらいの量のお塩をマッサージして、一瞬おきます。
塩もコーシャーソルトではなく、シーソルト=海塩で。
フレーク状になったオーストラリア産シーソルトが最近市販されているので、
それを使ってます。味がやわらかくおいしい塩です。
フレーク状なのでお肉に引っかかり、肉の繊維に食い込んでくれてる気がします。
上記のレシピサイトのようにたくさんの塩は使わないし、漬け込みもしないけど
ほんのちょっと置いておくだけでやわらかくなるし、味がまろやかになる気がします。
日本には他にもいろいろおいしい塩がありますね。
塩の味好みも人それぞれ。
コーシャーソルトでも、ヒマラヤンソルトでも、マルドンでもゲランドでも
お気に入り産地の海塩でも、とにかくご自身が一番おいしいと思う塩を使ってください。
5) 焼き加減を調節する
筋の多いお手頃肉をステーキにするとき、火を通しすぎては硬くなってしまうだけです。
焼いてもミディアムまで、できればミディアムレアを目指したいと思います。
6) 切り方を工夫する
これは大事です。
「大きなステーキをステーキナイフで切りながら頬張るのがいいのっ!」という人には
安いお肉はちょっとしんどいお肉かもしれません。
ナイフで切るにはなかなかタフなお肉なので食べ終わる前に疲れちゃいそう。
でも包丁ならスッと切れます。
予め包丁でお肉を上手にスライスしておくととても食べやすくなります。
お肉の繊維に垂直に包丁を当てて。
日本でもやりますよね。お刺身だってそうカットされています。
ステーキに向くお手頃肉
手間を省いて安いお肉をやわらかく食べようとなると
スロークックが一番簡単ですが、いっつもスロークックばっかりだと飽きもきます。
たまにはがっつりステーキだって食べたい。
節約する家庭ではおいしいステーキは食べられないのでしょうか?
大丈夫、食べられます。
焼いてもおいしくなるお手頃肉を選べば。
イチオシはチャックステーキ(chuck steak)=首から肩にかけての肉です。
日本では肩ロースと呼ぶ部分ですね。
霜降り和牛の肩肉ならそのまま焼いておいしい部位です。
お値段もそれなりでしょう。
でもアメリカ産やオーストラリア産のお肉だと肩ロースは赤身中心。
その分お手頃になります。これが狙い目。
赤身が濃く、脂肪もきれいで、つやのある肉を選びましょう。
筋や脂肪が入っている部分なのでそのまま焼くと筋との格闘で終わりますが
上手に使えばやわらかく食べられます。
今回は上の方法の4~6のテクニック(?)を使って
チャックステーキをおいしいステーキに仕立て上げたいと思います。
ご馳走の決め手は付け合わせ
主役のお肉がおいしい(そうに見える)ことはもちろんですが、
お皿全体にご馳走感が出るかどうかはガーニッシュ(付け合わせ)で決まります。
レストランで出されるステーキディッシュはお肉も魅力なら
添え物も豪華でひとつひとつがおいしい。
ちょっとずつ違う味、色、噛み応えの付け合わせが味覚も見た目も満足させてくれるし
お肉のおいしさも引き立ててくれて、満足感が倍増します。
今回は手間のかからない付け合わせを3つ添えてみます。
お肉を変身。。。
1) お肉は焼く1時間前くらいに冷蔵庫から出して常温に戻しておきます。
2) 余分な脂肪や筋をざっと取り除きます。
3) 塩を振ってよくマッサージして
4) こしょうもなじませます。
5) フライパンを強めの中火にかけ油を少量熱します。
油はお好みで。わが家ではオリーブオイルを使っています。
6) よく熱したら、焼きます。油が飛ぶのでフタをして。
片面をこんがりと焼いたらひっくり返して裏面も同様に焼きます。
ひっくり返すのは1回だけとか、何回も返した方がいいとかいろいろな説がありますが、
わが家はあんまり気にしません。
今回は厚さ約2センチ、全体(2枚)で800グラムぐらいのお肉で片面約3分ずつ、
合計6分ぐらい焼きました。
7) 肉を休ませます。
ステーキでもローストでも、お肉は焼いたら休ませることが大切。
肉を皿に取り、上からゆるくアルミフォイルで包んで休ませます。
休ませる間に余熱でさらにじんわりクックされます。
同時に焼いているとき肉の中心に集まっていた肉汁が
全体にいきわたりジューシーなお肉に戻ります。
休ませる時間はこのぐらいのお肉で3~5分ぐらいでしょうか。
お肉を押してみた弾力で加減がわかればそれでよし、
私はわからないので2~3分置いたところで切ってみます。
切ってみてちょっとレアすぎるようならもう少し休ませます。
8) お肉を”スライス”します。
肉の繊維に刃が垂直になるようにして、斜めにスライスしていきます。
こんな感じで。
付け合わせ
今回の付け合わせは
ポテトグラタン(グラタン・ドフィノア=gratin dauphinoisもどき)
アスパラガスの塩麴和え
ニンジンのロースト、です。
グラタン・ドフィノアはフランス料理でちゃんとつくるとすごく手間がかかりますが
これは”もどき”の超カンタン版。でもお味は本格的です。
材料をに混ぜたらあとはオーブンに入れておくだけなので、
最初に用意してオーブンに入れておきます。
ニンジンは後から同じオーブンの下段か脇に。
アスパラはレンジでチンして和えるだけです。
つくり方はこちらを見てくださいね。
まとめ
以上、お皿にまとめてみました ^^
ディナーっぽくなりましたね!
[jin_icon_check color=”#f7cc60″ size=”18px”] 肉は焼く1時間前に室温に出す
[jin_icon_check color=”#f7cc60″ size=”18px”] 塩は焼く直前にマッサージ
[jin_icon_check color=”#f7cc60″ size=”18px”] 両面こんがりと焼けたら、アルミフォイルをかけて休ませる
[jin_icon_check color=”#f7cc60″ size=”18px”] 肉の繊維に垂直になるように”スライス”する
お肉もやわらかく焼けて、ちょうどいい噛み応えにできました。
チャックステーキは甘みと味わいのある部位で、塩と胡椒で十分おいしくいただけます。
さっぱりとわさび醤油やおろしポン酢でもいいですね。
ぜひ試してみてください。
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