「田舎に広い土地と家を買って、自給自足で暮らせたらいいなあ」
イギリスの “リバー・コテージ” シリーズはそんな理想のスローライフを時代に先駆けて実践してみせた番組。
シェフであり、ジャーナリストでもあるヒュー・ファーンリー・ウィッティングストール (Hugh Fernley-Whittingstall) が田舎の一軒家で菜園を耕し家畜を育てながら、自作の食材や釣った魚などを使ってオリジナルな料理を紹介していきます。
今回は私の大好きなこの番組を紹介します。
元祖リバー・コテージ
2013年に “リバー・コテージ・オーストラリア” という番組が数シリーズにわたって放映され人気を博しましたが、これはイギリスのリバー・コテージの言わば「のれん分け」です。
オーストラリアのシェフ、ポール・ウエストが田舎の一軒家に引っ越し、自給自足の生活を築いていきながら地元との関わりや自作の食材を使ったレシピを紹介していく形はまさにイギリスのリバー・コテージと同じです。
実際、ヒューもイギリスから何回か応援に駆けつけ出演していました。
イギリスの “リバー・コテージ” の初回放映は1999年だそうですから、ヒューはこれを20年以上も前から時代に先駆けてやっていたわけです。
ゼロ・ウェイストへの取り組みとコミュニティの大切さ
都会を離れたヒューが田舎の一軒家に引っ越し、地元の農業や酪農のプロの知恵や助けを借りながら菜園を耕し家畜の飼育を始めます。
豚を可愛がって育て、害虫と格闘しながら、自作の食材や釣った魚などを使って伝統的だったり、ときにものすごく独創的だったりするレシピをいろいろ紹介してくれます。
単に料理の作り方だけでなく、ピクルスやジャムなどの保存食の作り方や残り物を使ったレシピなど食材のどの部分も無駄にしない(廃棄物ゼロ = zero waste)ための工夫やアイディアもいっぱい。
また地元の人たちの助けてもらったお返しに収穫の手伝いに行ったり、物々交換したりと地元コミュニティに積極的に関わり、その一員となっていく様子も細やかに映されています。
シリアスなテーマをほのぼのと
ヒューの何でも楽しんでしまう好奇心旺盛さと人懐っこいキャラクターに乱れ髪の外見も手伝って、なんとなくユーモラスに、コミカルに、ほのぼのと撮られているのがいいのです。
食育や環境への配慮、コミュニティの大切さ、サステイナビリティなどテーマはシリアスかつ壮大なのですが。
ビデオでは見つけられなかったけれど、貝だかエビだかを潜って獲りに連れて行ってもらう回があって、ヒューはそのために溜めた水に頭を突っ込んで一所懸命息を止める練習をしていました。
それこそ本気で。
その姿がなんかかわいくて笑ってしまいながらも、ちゃんと潜れた時には心から嬉しくなってしまったものです。
この番組を見ていて、私はヒューの大ファンになりました。
ではオーティ・バナナ・ドロップ・スコーンのレシピをどうぞ。もう長髪ではありませんが(笑)。
リバー・コテージ続編とキャンペーン
とにかく20年以上も前からのシリーズなので、私も一部しか見られていません。
チャンスがあれば全部見てみたいと思っているのですが。
シリーズはその後も新たな続編やキャンペーンが加えられ続いています。
魚の料理と水産資源乱獲に焦点を当てたフィッシュ・ファイト、野菜や野草を使うシリーズ、鶏の飼育環境と品質の向上を訴えたチキン・アウト・キャンペーンはイギリスのフリー・レンジ・チキンの割合を増やすのに貢献したと云われます。
ヒューが始めたスロー・フード・レストランの奮闘を追ったものもあったそうですが、残念ながらそのレストランは今年3月コストの高騰を理由に閉められました。
ロックダウン以降は “リバー・コテージ・ロックダウン・キッチン” シリーズを彼のフード・チューブにアップロードしています。
こちらです。
まとめ
進化し続けるリバー・コテージ。
もともとドーセット州にあったコテージは今ではデボン州に移され、そこではクッキング・クラスを始め野菜栽培、養蜂、保存食作り、発酵食品、キノコ採集などさまざまなコースを開催しているようです。
リバー・コテージが提供し続けるテーマも興味深ければ、聞きやすいイギリス英語も耳を慣らすにはちょうど良く、楽しく見られるシリーズではないでしょうか。
今後も一ファンとしてチャンスがあればヒューの番組を追っていきたいと思います。
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