前回の コンブチャ(kombucha)のつくり方 で1週間ほどで完成した琥珀色のコンブチャ。
そのまま冷やしたものも、発泡水やジュースなどで割ったのもイケてますが、さらに二次発酵をして発泡させたりフルーツなどのフレイバーをつければまた違った味が楽しめます。
さらに2回目以降のコンブチャづくり、新しくできたスコビーの株分けと
どんどん増えていくスコビーの管理の仕方を書いてみます。
二次発酵でコンブチャの味をシェイプする

そのまま二次発酵でシュワッと発泡させる
二次発酵させるには、スコビーを取り出したコンブチャのビンにフタをして、暗めの場所に移します。
もっと発泡させてシュワシュワ感を出したい場合は、少量の砂糖を加えフタをして2~3日置きます。
発酵が進むにつれ甘みが消え、どんどん酸味が増すのでやりすぎないように気をつけて。
2日ぐらい置いたらお味見をしてみることをお勧めします。
ビンが割れないよう毎日フタを開ける
大切なのは、1日1回くらいフタを開けて炭酸ガスを逃してあげること。
これをやり忘れると中からの圧力でビンが割れてしまうことがあります。
実際、私も一度やりました。。。
毎日フタを開けても圧力がかかっているようにはほとんど感じられなかったので、だんだん開けるのをサボるようになったのです。
2日に1回になり、2日目を忘れて…3日目にキッチンの方で “パーン!” という音がしたかと思ったら3本のうちの1本が割れてました(泣)。
このときは四角いビンを使っていたのも原因のひとつ。
圧力が均等にかからず、圧の強くかかる平面の部分が割れやすくなるそうです。
円筒型のボトルの方が良いわけです。
下は内部の圧力が上がると自動的に内気を外に逃がす機能のついたボトル。
これなら毎日フタを開ける必要もありませんね。
二次発酵でフレイバーをつける
二次発酵でフルーツなどのフレイバーをつけるのも楽しいです。
市販のコンブチャのほとんどは何らかのフレイバー付きですね。
フルーツのフレイバーをつけるには、お好みのフルーツを入れ、フタをして暗めの場所に置きます。
イチゴ、ラズベリーなどのベリー類なら(洗って乾かして)そのまま入れます。
3日ほどでちゃんとイチゴの香りとほのかな甘みがつきました。
リンゴなど大きなフルーツは適当な大きさに切って入れます。
柑橘系は果汁を入れるといいようです。オレンジ果汁は紅茶ベースのコンブチャによく合っておいしくできました。
皮も入れたらもっと香りが出るかな?とレモンやオレンジの皮を果汁とともに入れてみましたが、これは薬臭くなるだけでした。
フルーツにハーブやスパイスを入れる人もいるし、野菜や野菜ジュースを加える人もいます。
私が試した野菜(スパイス?)はショウガだけ。
レモンのしぼり汁少々とともに加えてみたら、ちゃんと市販のレモン&ジンジャーフレイバーのような味になりました。
でも個人的には何のフレイバーもつけないそのままのコンブチャを発泡水で割るのが一番好きです。
いずれの材料でも2~3日で味や香りが出てきます。
また果物や砂糖などの甘みを加えすぎるとアルコール分が増えてしまうこともあるので気をつけて。
お好みの加減になったところでフルーツを取り出し、冷蔵庫で冷やしていただきます。
スコビーの株分けと2回目以降のコンブチャづくり

2回目以降も作り方は一緒です。
消毒したビンに冷ました甘いお茶を入れ、出来上がったコンブチャから全体の10%にあたる量を取ってお茶に加えます。
スコビーを入れ、布またはキッチンペーパーでふたをし、明るい場所に置きます。
同じサイズのビンで
このとき、ビンはできれば前回と同じサイズが理想です。
小さいビンでできたスコビーを大きなビンに入れても後からスコビーが大きく育つということはありません。
逆に大きなビンで作ったスコビーを小さなビンに入れるにはどこかを折り曲げなくてはなりません。
とはいえ、これは単に見た目とか収納の効率の問題。
とくに下の方で説明しているスコビーの “ホテル” を作るときは納まりがいい方がラクですね。
1回作ればもう株分けできる
と、ここで疑問。
今回は最初に購入したスコビーと前回の発酵でできた新しいスコビーの2枚があるんだけど…?
新しくできた2枚目のスコビーはすでに株分けできる状態です。
消毒したビンに、スターターティー(今回できたコンブチャ)とともに入れればそのままお友だちに分けてあげることもできます。
たった1~2週間で1枚だったスコビーが倍の2枚になるなんてスゴイですよね。
スコビー2枚? それとも2倍?
2枚のスコビーを2つのビンに1枚ずつ入れれば、倍の量が作れます。
でも倍量は要らない、という場合は?
次のコンブチャづくりに両方入れるの? それとも1枚?
どちらでもできます。私も最初は2枚とも入れていました。
1枚にするとあとの1枚をどうしていいのかわからなかったので。
使うスコビーは1枚でも2枚でも同じようにおいしいコンブチャができました。
そして思ったのです。
2枚とも使うなら、出来上がったときに何もわざわざ新しいビンに移し替える必要はないんじゃないかと。
そこで今度は出来上がったら次回作る量の10%だけをビンに残して、あとの9割のコンブチャを別のビンに収穫するという風にやってみました。
10%を残した同じビンに新たにつくった甘いお茶を足して次のコンブチャをつくるのです。
これでもちゃんとおいしくコンブチャはできました。
くっついちゃったスコビーのかたまりはどうする?
これを繰り返すうちに、ビンの中には何枚ものスコビーが重なって厚い層になってきました。
同時に底の方には発酵中にできるもやもやがだんだんたまってきて、そろそろ掃除が必要になってきている気がしました。
それに下の方のスコビーは大分古くなってきて、取り除く必要があるかもしれないとも思い始めて。
そこで次のコンブチャが完成したときにビンを一掃すべく、できたコンブチャを別のビンに移し、スコビーを全部取り出してみました。
するとたくさんの層になっていると思っていたコンブチャが、実はあちこちくっついてひとつのかたまりになっていたのです。
一番下のスコビーは茶色くなって貫禄が出てきたので取り出して破棄しようとしたのですが、はがすのもままなりません。
実際すべてのスコビーが毎回お仕事(?)をしていたので、下から数枚、つまり古い順に数枚は大分茶色くなってきていました。
1枚ずつ本体からはがそうとするものの、あるものは真ん中がくっついていてはがそうとすると穴が開いたり、あるものは端がぴったり閉じられていて引っ張ると切れてしまったり…。
1枚のスコビーだけを入れていたときにはこうはならなかったのです。
新しくできた2枚目はちゃんと独立していて、その時点で取り出せば元のスコビーも新しいものも両方きれいな円盤型になっていました。
そこで思いました。
1枚でもつくれるなら、1枚だけ入れればいいかと。
残りのスコビーはみんなまとめてお休みしてもらった方があとあとのお手入れもラク。
ではその残りのスコビーたちはどう管理したらいいのでしょうか。
スコビーの “ホテル” の作り方
お休みするスコビーたちに“ホテル”をつくってあげればいいのです。
スコビー・ホテルをつくるには、まずホテル用のビンを消毒して冷まし、今回出来上がったコンブチャを適量を注ぎます。
全部のスコビーがしっかり浸るぐらいは必要です。
ビンを消毒するついでに、取り出したスコビーをはがしたりする際にのせるお皿にもざっと熱湯をかけて冷ましておきます。
手をきれいに洗って完全に乾かしてから作業開始。
スコビーを取り出し、1枚ずつそっとはがしていきましょう。
はがしたスコビーは上で用意したビンに1枚ずつ入れていきます。
かなり色が濃くなってお疲れのスコビーがあったらそれは処分します。
スコビーの寿命はだいたい5回から10回の使用が目安と言われています。
すべてのスコビーをはがしてビンに移し終わったら、布かキッチンペーパーでふたをし、輪ゴムやひもで留めて直射日光の当たらない明るい場所に置きます。
こうしておけば、つくりたいときにいつでもつくれます。
ホテルは菌がちゃんと活動できるよう室温で管理します。
冷蔵庫に入れると菌の活動が止まり、かえってカビが生えやすくなる可能性があります。
またしばらく置いておくとスコビーたちは上へ上へと押し上げられ、
表面にいるスコビーが浮いてしまったりします。
そんなときは表面が乾いてしまわないよう、私はときどきそっとビンを回して
コンブチャ液を上面にも届くようにしてあげています。
スコビー・ホテルとコンブチャの理想の関係
こうしてスコビー・ホテルを作っておけば、コンブチャをつくりたいときはいつでもここからスコビーとスターター液を取り出せます。
取ってばかりでは水分が減ってしまう一方なので、新たにコンブチャをつくるたびにそこから1カップ程度のコンブチャをホテルに入れるようにします。
そして作るときにまたホテルからカップ一杯をもらう。
こうしていればホテル内のコンブチャの量も保てるし、できたてのコンブチャを足すことでホテル内に栄養の供給もできるわけです。
ただ時間が経つにつれ、またホテルが大きくなればなるほど、中の保存液は少しずつ濃く、酸もきつくなっていっている気がします。
ホテルの管理には酸も有効なのでそれでいいのですが、新たにコンブチャをつくるときのスターター液としては何か月も寝かした培養液はいささか強すぎるような気がします。
それより今できたばかりのコンブチャをスターター液としてスコビーの1枚とともに入れ次のコンブチャを仕込む方がフレッシュでやわらかい味に仕上がるように思うのです。
このような理由から、私は少量でも毎回コンブチャをつくり続けています。
出来上がると、古いスコビーはホテルに加え、新しいスコビーとスターター液を取って次のコンブチャを仕込みます。
さらにホテルから1カップほどコンブチャ液を取り出し、代わりに今できたコンブチャ1カップを入れ、そっとビンを回して混ぜ合わせています。
作り続けると余ってしまうようなら、量を少なくして調整します。
さらに次の項で書いたように、ときどきホテルの掃除をするときに液を入れ替えるので、その分にあてたりします。
沈殿物? 浮遊物? 放っておいて大丈夫?

一度作るごとにホテルに1枚加えていくと、発酵の早い夏などはあっと言う間に上の写真のようにいっぱいになってしまいます。
こうなると模様替え(?)が必要ですね。
ここまでたくさんにならなくても、数か月に1回はスコビーの整理をしてあげると良いようです。
消毒した大きなお皿の上などでスコビーを全部出して整理するのです。
色が濃くなって古びてきたスコビーは処分し、くっついたスコビーをはがして元にもどし、コンブチャを足します。
長く置けば浮遊物、沈殿物も増えていきます。
これはまったく正常なこと。生きてる証みたいなものです。
発酵とともにできていくものなので心配は要りません。
でもあまりに増えて気になるようでしたら、保存液を濾してきれいなビンに移し、スコビーもお引っ越ししてできたてのコンブチャを足してあげましょう。
えっ? 沈殿物、無くなってしまっても平気なの? と心配しないで。
濾してもスコビーのあちらこちらにもついているので、そう簡単に無くなることはありませんから。
スコビーについた付着物を洗う必要もありません。
どうしてもきれいにしたい場合は、取り出してはがした際にそっと手で取り除くか、コンブチャの中でそっと洗う程度にしましょう。
室温で菌が活発に活動しているホテル内のコンブチャはとても酸の強い状態なので、出し入れの際の清潔を保っていれば通常カビが生えるようなことはないはずです。
が、万が一カビが生えてしまった場合は全て処分し、新しいスコビーまたはコンブチャで一からやり直してください。
使う道具はその都度しっかりと消毒しておきます。
ホテルに使うガラス瓶、スコビーをはがしたりする際に載せるお皿やスターター液として中のコンブチャを取り出す際に手はしっかりと洗い完全に乾かして。
スコビーをさわるほかの発酵食品(納豆、味噌、麹など)や発酵中のものの近くに置かないようにしてください。
適温は20~30℃です。夏は涼しいところ、冬は冷えすぎないところに置きましょう。
まとめ
器具や手の消毒、ホテル内の保存液とできたてのコンブチャの循環といったポイントさえ押さえれば、スコビーは放っておいてもどんどん増え、コンブチャを生産し続けてくれます。
一番の大仕事は洗い物と消毒かな…?(笑)
コンブチャは私でもマイテンポでつくり続けられる発酵食品です。
ぜひトライしてみてください。
コンブチャを初めてつくる方は こちらのページ でつくり方を見てくださいね。

ご訪問ありがとうございます。
よろしかったらポチしてっていただけるとうれしいです。