平穏そのものに見える田舎暮らしにも、
ちょっとした犯罪の可能性は常に潜んでいるということを改めて思い出させられた事件。
犯罪を防ぐために私たちができることは何でしょう?
バイクがガス欠?
こんにちは。ほのかです。
降り続いた雨が上がり、きれいに晴れ上がったある日の夕暮れどき、私はいつものようにもんを連れて散歩をしていました。
すると進行方向から男の人が大きめのバイクを引きずりながら歩いて来ました。
数件先の家のおじさんとあいさつの言葉を交わしてるのが聞こえます。
(ガス欠かな? 重いバイク引いてくなんて大変だこりゃ。)
重いバイクを体で押すようにして歩いてきた彼はすれ違いざまににこっと笑い、通り過ぎて行きました。
そのままビーチまで歩いた帰り道、同じ通りを通るとひとりの男性が近づいて来て私に訊きました。
「きみ、さっきここを通ったとき、バイクを引いて歩いていた人とすれ違ったよね?」
「ええ、ガス欠のバイクかしらね。」と答える私。
するとびっくりすることに彼は
「違うんだよ、盗んだ物だったんだよ。あっちの通りの人の家から。」
というじゃありませんか。
ええーっ?!
犯人がニッコリあいさつ?!
「にっこり笑って通り過ぎたからてっきり彼のバイクがガス欠なのかと…。」と言うと
「顔を見たのか? どんな奴だった?」とそれは興奮気味に訊くのです。
「あら、あなたも挨拶してなかった?」
「いや俺は顔は見てない」
えっ、そうなの?
はてどんな顔だったか、姿だったか思い出そうとしましたがはっきり思い出せません。
そう、何を隠そう私はとびきり人覚えが悪いのです。
私が懸命に記憶をたどっていると、彼はに言いました。
「見たことを警察に話せるか?」
「私が覚えてる限りのことでよければ。」
そう言うと、彼は
「じゃあ警察に君の連絡先を伝えるから。警察が来たら話してやってくれ。」
よろしくな、と去って行きました。
協力したいけど、私のこのうろ覚えの記憶で役に立つのかしら…?
どんな顔だったっけ?、何を着てたかしら。
考えながらしばらく歩いて家のある通りまで来て、
そういえば彼が私の連絡先を訊かなかったことに気づきました。
いったいどうやって私の連絡先を伝えるのか疑問に思いながらも、
大体どの辺りに住んでいるかわかっているだろうから
こんな田舎でたどり着かないことはないと思い直し家に入りました。
警官にドアをたたかれる
翌日、玄関を叩く音に出てみると、果たしてそこにはちゃんと警官がふたり立っていました!
「〇〇番地、××ストリートだね」
ちゃんと私の住所知ってたんだ、おじさん。。。
氏名とともに生年月日を訊かれて
「生年も言わなくちゃダメですか?」といつものクセで抵抗してみる私。
歳がわかって何が困るというのか、この場合…?
住所も名前もすべてネタは割れているというのに。
「お願いします」と言われてあっさり教え、続く質問に答えます。
どんないでたちだったか。
肌の色は? 髪の色は? 瞳の色は?
どんな服を着てた? 言葉を交わした? アクセントは?
どっちへ歩いていった?
覚えてる限りのことを伝えながらふと通りの向こうに目をやると、ご近所さんがあちらからもそちらからも見てる…(笑)。
家の前にパトカー。
ほのか、何か悪さしたな…と思っているに違いありません。
一瞬すれ違っただけなのと、私の記憶力の悪さから大して有力な情報は出せないまま事情聴取は5分ほどで終わります。
「バイクは見つかりそうですか?」と訊くと
難しそうだというようにうーんと首をかしげます。
「見つかるよう祈ってます」という私にお礼を言って帰って行きました。
ドアを閉めて、振り返って歩き出して、ヒザがカクッと崩れ蹴つまずく私。
知らずに実は相当に緊張していたことに気づいたのでした…。
目撃者は目撃される
それから数日の間に、私はいろいろな人から声をかけられました。
「あなたがあの日犬を連れて歩いて行くのを見かけたのよ。もし何か見かけたことがあったら(バイクの持ち主の)△△さんに教えてあげて」という風に。
あの日散歩をしているとき、誰にも会った記憶も見かけた記憶もないのに、見られているものだなーとちょっとびっくり。
バイクを盗まれた被害者の人からも声をかけられました。
「君が目撃したって聞いたもので。」
彼の話を聞くと、その日彼は数日の雨で湿った家の中の空気を入れ替えようと窓と言う窓を開け、ガレージのドアも開け放っていたのだそうです。
盗まれたのはそのガレージに置いてあったバイクでした。
「でも引きずって行ったんだから、鍵はついてなかったってことですよね?」そう訊くと、
「いや、シートの下に入れてあったんだ…。」
無念…。
鍵がなければエンジンもかけられず、まだ近くにあるかもと思ったのに。
「他に手がかりは…?」と尋ねると
「何人か目撃者はいたけど有力な手がかりは無くてね…。」
「見つかってくれるよう祈ってます。」そう言って家に帰りました。
なんだかとても無力だと感じて悲しい気持ちで。
一番簡単で有効な予防措置
私たちの住むような田舎の住宅街に多いのは、こうして家から盗まれるケースです。
盗まれるのは留守宅からだけではありません。
この事件同様、家にいるときに盗まれるケースも多いのです。
この辺りの人たちは平気で戸締りせずに外出したりします。
鍵なんかかけたことない、という人もいるくらい。
でも残念ながら、最近はそれでは通じなくなってきています。
泥棒たちは開いているガレージやドア、窓から入って、小さな物から「うそっ?!」と思うような大きな物まであっさり盗んでいきます。
ケータイ、時計、ジュエリーからラップトップにテレビ、家具、果ては車まで。
盗難に遭わないための一番の予防策はやっぱり戸締りです。
とはいってもガレージを開けてそこから工具を出して庭で作業をしたり、暑い夏は単に風通しのためにガレージを開けておいたりすることもあるでしょう。
開けておくなら目の届くところにいる、目が届かないなら閉める。
月並みですが、きちんと目を配ったりマメに戸締りするかしないかが
あるとき明暗を分けたりするのです。
スマートキーにも気をつけて
また車やバイクのカギはガレージの近くに置いておかないというのも大事です。
とくに最近の車のスマートキーは鍵が近くにあれば、指一本でエンジンがかけられてしまいます。
またスマートキーの出す微弱電波を受信、中継して車のカギを開け、エンジンをかけて乗り逃げする事件は日本でも起きていますね。
できれば鍵はブリキ缶など電波を遮断する物に入れて、ガレージとは離れた部屋に保管した方が良さそうです。
そして戸締りとともに、ご近所みんなで目を配るのも効果的な防犯対策です。
わが家に警察が来たときにのぞいていたようなご近所の目は実は有難いものなのかもしれません。 🙂
私たちの住むNSW州でもNeibourhood Watch (近隣監視) プログラムで地域社会と警察が連携して防犯・安全対策を行っています。
数日家を空けるときには隣近所に声をかけて目を配ってもらうというのも有効な手段です。
先ほどの被害者の方ですが、その後彼はガレージの外側、家の敷地と歩道の境に門を作りました。
ですが、しょっちゅう開けっ放し…。
門があるかないかだけでも盗む方には多少の精神的プレッシャーを与えられるのかもしれませんが、その場にいないときはやっぱり閉めておかないと。
最近では誰もいないのに門が開いているときは素早く目で彼を探します。
門が見えないところに彼を見つけると、挨拶に手を振ったあとに門を指さして「開いているよ」としつこくほのめかす私です。。。
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